この記事は、撮影したあとのスナップショットの加工について書いたものです。
撮影画像はハードディスクに記録しておきます。画像加工の説明は GIMP を使います。お持ちでない方は下記からダウンロードしてください。PHOTOSHOP をお使いの方は、ほぼ同じ機能がありますので適宜読み替えてください。てゆーか、PHOTOSHOP 使いの方には釈迦に説法でございますね。


GIMP ダウンロード。
http://www.gimp.org/

ユーザーマニュアルはこちら。
GIMPユーザーズマニュアル


トリミング

撮影時に構図を決めるのがフレーミング。撮影後に必要なところを切取るのがトリミングです。トリミングは、撮影時に端に写り込んでしまった邪魔なものをカットしたり、逆に必要なところだけを切り出したり、使用形態に合わせて画面の縦横比率を揃えたり、時には斜めに抜き出したりします。
画面の縦横比のことを「アスペクト比」といひます。
一般に肖像 (PORTRAIT) は縦長、景観 (LANDSCAPE) は横長です。

PORTRAIT
LANDSCAPE


しかし、PCのデスクトップいっぱいに肖像を表示したいとかいう場合には、PC画面のアスペクト比に合わせて撮影画像をトリミングせにゃなりません。


主な画面アスペクト比

それぞれの枠の面積はほぼ同じです。

アスペクト比イメージ用途
512 : 512
pixcel
SL Snapshot の標準的サイズ
24 : 20
12 : 10
inch
印画紙の全紙
印画紙の四切
100 : 81
cm
油絵40号
(F人物)
1280 : 1024
pixcel
SVGA PC画面
640 : 480
800 : 600
1024 : 768
1600 : 1200
pixcel
伝統的なテレビ
VGA PC画面
100 : 73
(cm)
油絵40号
(P:風景)/
映画 スタンダード
1 : sqrt(2) A/B列 紙
36 : 24
(mm)
DVD/
35mmライカ判/
国旗
100 : 65
cm
油絵40号
(M:海景)
(1+sqrt(5))/2 : 1 黄金比
名刺
16 : 9 ハイビジョン
1.85 : 1 映画 ビスタビジョン
2.35 : 1 映画 シネマスコープ


たとえば、このブログでは本文に表示される画像の基本サイズは 360 X 240 pixcelで、クリックしたときに現れる大きな画像は 900 X 600 pixcel にしています。アスペクト比はいずれも 3 : 2 です。
この比率で、画像をトリミングします。
まず、これが撮影したオリジナルの画像。縮小してありますが、元は 2480 X 1928 pixcel です。


GIMP のツールボックス左上のアイコンが矩形範囲指定です。ダブルクリックするとオプション設定ダイアログが開きます。


比率を 3: 2 に設定し、範囲を動かしたり大きさを変えたりして、トリミング範囲を決めます。2112 X 1408 pixcel のサイズになりました。




画像調整

Second Life では、簡単にきれいなスクリーンショットが撮れます。しかし被写体や撮影環境によって、コントラストが弱く、眠い感じだったり、シャドウがつぶれて真っ黒になったり、色かぶりしたりすることもあります。
GIMP や PHOTOSHOP には強力な画像調整機能がありますから、ちょっと手を加えれば、見栄えのよい画像に修整することができます。
明るさとコントラスト調整は、画像のヒストグラムを見ながらするとわかりやすいです。「色」の「レベル」を開きます。


元画像のレベルは暗い方にかたまっています。


山の麓からちょっと離れて範囲を合わせるのが原則ですが、ぎりぎりにすると明るくなり過ぎるので、黒を締めつつ、白は画像を見ながら適当なところに置きます。


ヒストグラムの裾が広がりました。


「色」メニューには、たくさん調整項目がありますが、たいていレベル調整だけですんでしまいます。
また、パラメータを自分で設定しなくても、適当に調整してくれる自動調整機能もあります。


画像によって、色や明るさが極端に変わってしまうものもあるので、注意しましょう。

元画像
平滑化
ホワイトバランス
HSV伸長
コントラスト伸長
色強調
正規化

気に入ったのがないので、手動でレベル・彩度・コントラストをいじってみました。




リサイズ

ここで、目的のサイズ (900 X 600 pixcel) にリサイズします。
「画像」メニューから「拡大縮小」を選択し、サイズを指定します。





鮮鋭化

小さな画像では、細部が省略されて全体がぼけた感じになりがちです。そのようなときは、エッジを立てます。「フィルタ」の「シャープ」です。




効き具合を確認できます。




元画像
25
50
75
99

かけ過ぎると、画像がギラつきます。 この画像では、50 くらいが適当のようです。
鮮鋭化すると、JPEG/PNG 保存したときの画像サイズは大きくなります。しかし特に風景画像や小さな画像では、画像が鮮明になり、見違える効果が出ます。

元画像
鮮鋭化

この処理は画像調整の最後にやりましょう。



保存形式

最終のファイル形式は、WEB で公開するなら JPEG が一般的ですね。JPEG は画質(圧縮率)が指定できます。
数字は / の前がこのページの画像(360X240)のファイルサイズ、後ろがクリックで表示される拡大画像(900X600)のファイルサイズです。

元画像
PNG : 163KB / 926KB
BMP 換算 : 254KB / 1,583KB
画質 0
2KB / 5KB
画質 25
7KB / 32KB
画質 50
11KB / 57KB
画質 75
18KB / 91KB
画質 100
82KB / 459KB

PNG 保存の際にも圧縮率が指定できます。数字が大きくなるほど圧縮率が高く、つまりファイルサイズが小さくなりますが、圧縮に要する時間が増えます。JPEG と違って、圧縮率を変えても画質は同じです。



自動処理

リサイズとか画像調整とかファイル形式変換とか、まとめて大量の画像に同じ処理を加えたい場合、PHOTOSHOP だと簡単にバッチ処理として指定・実行できます。GIMP でも Fu-Script とかの言語でバッチ処理を書くことはできるようですが、面倒でやってられません。
David's Batch Processor を使えば、よく使う(と作者が思っている)機能は、自動処理できます。
また、IrfanViewVIX にも、簡単なバッチ編集の機能があります。



主な画像サイズ

画像サイズ用途
178 x 133プロフィール SLの画像
133 x 133プロフィール RLの画像
126 x 126グループの記章
398 x 282ランドマーク情報の土地画像
178 x 117土地情報のスナップ画像
512 x 512Snapshot を持ち物に保存するときのサイズ
1024 x 1024テクスチャの最大サイズ
88 x 88SLMaMe トップページのサムネイル
48 x 48SLMaMe 検索結果のサムネイル

Second Life にログインするときの画面は、通常のスクリーンサイズでローカルに保存されています。
私のPCでは、チャットログと同じ場所に保存されていますが、環境によって違うかも知れません。

ホーム画像 : screen_home.bmp
ログアウトした場所の画像 : screen_last.bmp

ホーム画像はホームを変更したときに、ログアウトした場所の画像はログアウトするたびに、上書きされます。



アーティスティックに

見栄えを良くするための画像修整だけでなく、積極的に画像を加工して、アートとして仕上げることもできます。
PHOTOSHOP や GIMP には、たくさんの編集ツールやフィルタが用意されているので、遊んでみましょう。

祇園
(彩度上げ)
祇園
(昔の写真風)
Unintended Water
(多重合成)
キャンデー
(キャンバス地)
年賀状
(合成/文字入れ)
ポスター
(合成/文字入れ)



PHOTOSHOP や GIMP の使い方、テクニックについては書籍もたくさん出ていますし、ぐぐればたくさんの解説サイトがヒットします。いろいろ試してみましょう。